想像力の限界を求めて

小説『重力ピエロ』を読んで家族愛を味わう。

重力ピエロ

家族愛というものを確認したくて何度も読んでしまいます。

今年に入ってから伊坂幸太郎作品を続けて読んでおります。先日も『死神の精度』を読み終えその感想を書きましたが、、やっぱり何度も読み返し楽しめる作品を書き続ける伊坂幸太郎さんすごいなと思うわけで。

やっぱり好きな伊坂幸太郎作品『死神の精度』を読んで。
やっぱり好きな伊坂幸太郎作品『死神の精度』を読んで。

家族愛を味わうためにワタシは何度も『重力ピエロ』を読む。

ワタシにとっての優れた作品の定義として、

・頭の中で映像化/想像ができること

・知識や情報がちゃんと詰まっていること

・登場人物たちの個性がちゃんと描けていること

・何度も読み返し楽しめること……などがあります。

だいたいこの自分ルールに当てはまる作品は晴れて本棚に収められることになります。

そして今回もまたこの条件を満たした伊坂幸太郎作品を紹介します。

あらすじ

兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。家族には、過去に辛い出来事があった。その記憶を抱えて兄弟が大人になった頃、事件は始まる。連続放火と、火事を予見するような謎のグラフィティアートの出現。そしてそのグラフィティアートと遺伝子のルールの奇妙なリンク。謎解きに乗り出した兄が遂に直面する圧倒的な真実とは―。溢れくる未知の感動、小説の奇跡が今ここに。「BOOK」データベースより引用。

 

この作品、ワタシが好きなポイントは何と言っても「家族愛」です。

読んでいて面白い展開にキャラクターたちの個性、程よい雑学でテンポ良く進んでいくこの物語。

善悪や性といった根幹にあるテーマは深いのかもしれませんが、ワタシはなんといってもこの家族か最高にハマりました。

良い家族です。

言葉にするとこんなに軽くなってしまいますが、こういう家族になりたいと、話そっちのけで思いました。

理想的な最強の家族

この作品の主人公・泉水と春は血が半分しか繋がっていません。まして春と父親はまったく血の繋がりはありません。

最強の家族を描く上で必要だったこの「血の繋がり」という要素。これをどんどん肉付けしていく遺伝子についての情報とこの家族が体験してきたエピソードの数々。

これが実に良いバランスでまとまっていきます。

物語は途切れ途切れ過去のエピソードを挟みます。

微笑ましい年少の頃の思い出がたくさん挿入されていき、泉水と春のキャラクターが生き生きとしていきます。

出生からして非常に重たいものを背負わされた春、そしてその家族ではありますが、小粋な科白と豊富な雑学が作品全体を重たくすることを巧妙に回避しています。(現実感がない、と言われたらそこまでですが‥)

この思い出話の挿入がなんともメランコリックな感じがしてぐっときます。

ほら、良くありません?

何かをする時に

「そういえばこんなことあったなー」って思い出すこと。

だいたいそういう思い出話って家族が出てきたりして、ぐっときます。

一応ストーリーは連続放火事件を追いかけていくのですが、サスペンス要素よりもワタシはこの家族、兄弟のやりとりを見ているだけで楽しめました。

終盤、血の繋がりのない父が春に向かって放った言葉

「俺に似て嘘が下手だ。」

は大号泣です。

 

サスペンス物としても充分楽しめるし、伊坂幸太郎作品ならではの爽やかな文体に豊富な雑学が詰まった今作品。

映画化もされてますが、是非こちらの小説でお楽しみ下さい。

深く考えることなく、ただこの最強の家族のやりとりをニヤニヤしながら読みましょう。

心に名言、たくさん刻まれますよ。

 


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