『ファイト・クラブ』が持つ断捨離要素。

2016-07-12

ワタシが大好きな映画の一つに『ファイトクラブ』という作品があります。当時人気俳優ブラットピットと演技派俳優エドワードノートンが筋骨隆々の肉体美を惜しげもなく披露したあの名作です。

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『ファイト・クラブ』が持つ新たな側面を語る。 

当時は作品の持つメッセージ性が正確に伝わらなかったのか、表面上の暴力的な要素ばかりが取り沙汰され、物凄い大成功した作品という印象はあまりなかったかと思います。
 
しかしこの作品、今だにカルト的な人気があり(ワタシ的に)原作を読めば読むほど、また映画を観れば観るほど味わい深い作品となっています。(ワタシ的に)
今日はその何度も噛み締め、味わってきたワタシがこの作品が持つ新たな側面を語りたいと思います。
 
『ファイトクラブ』
 
映画公開は1999年。
監督はこれまた大好きなデヴィッド・フィンチャー氏。さらに原作は私の尊敬するチャックパラニューク氏。音楽はダストブラザーズ(ケミカルブラザーズ?)私の好きな要素が一つにパッケージングされた作品だけに、今も尚忘れられない衝撃作であります。
 

未見の方に簡単なあらすじ。

 
不眠症のエリートサラリーマンである主人公は死に直面した人々と触れ合う事で一時の安らぎを得ていました。
末期癌の人たちの集会…奇病、難病患者の集い…そんな唯一の安息の地にマーラという女性が現れたことで、再び眠れなくなる主人公。
更には自宅がガス爆発で吹っ飛んでしまい、仕方なく以前偶然飛行機で隣り合わせたタイラーという魅力的な男を頼ることになります。
そこで2人はすっかり意気投合しタイラーの家にお世話になるのですが、その条件がタイラーをおもいっきり殴ること。ここで主人公は生まれての爽快感を得ます。
 
暴力によって解放されてゆく主人公。
しかし次第にこの暴力がエスカレートしてきて…
 
 

フィンチャー節炸裂。

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この作品何度観ても思うのですが、とにかく暗い映像。
この暗いはネガティヴとかの意味合いではなく、単純に光が足りてない暗さです。
 
まさにフィンチャーらしい映像が続きます。
例えば過去作品ですと『セブン』や『ドラゴンタトゥーの女』に似たテイストの暗さで個人的に大好きな世界観です。
特に今作は深い暗さが滲み出ています。
 
 

暴力の是非

 
恐らくまだ未見(いないと思いますが)という方にとって『ファイトクラブ』は暴力的な映画だろうと偏見を持っているかと思います。
 
確かに映画に限らずこの作品(原作も含め)は暴力という一つのエネルギーが描かれてます。
しかし暴力シーンは決して残酷なモノとしてではなく、常に生を感じる瞬間として表現されています。
それはあたかもスポーツとしての格闘技に通じるカタルシスです。
後半、このエネルギーが内側ではなく外に向かうことで暴走してしまうのですが…
 
物語前半は確かにこのエネルギーが主人公の救いとして描かれています。
一時期流行った自分探し、というやつの方法がたまたま殴り合うことだったに過ぎません。
 
むしろ自分の肉体を酷使し、雑念を取っ払いその瞬間だけを生きることで、生まれて初めて生の実感を味わう。
なんて究極の充実感でしょう。
 
生まれて一度も喧嘩したことのないワタシには永遠に辿り着けない境地であります。
 
でもやっぱり暴力とは無縁な生き方の方が平和ですよね。
 
一通りこの作品の評価と言いますか、感想を述べさせてもらいました。
で、今回は先ほどお伝えした通りこの作品の新しい側面を見つけたので光を当ててみようと思います。
 
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こ、これは断捨離の話だ‼︎

 
「お前が所有したものに、最後には所有される。」
 
この作品の根底に常に流れているメッセージとして、現代社会に対する皮肉が至るところに込められています。
 
本当の意味で生きているとはどういうことなのか?
 
愛する全てのものが、いつか自分を拒絶する
あるいは死ぬ
 
創り出す全てがやがてゴミ箱行きになる
 
誇りに思う全てがやがてゴミ箱行きになる 作中より引用
 
これでもかと繰り返される主張の一つに、今の生活を全て捨てることで新しい人生が始まるというものがあります。
 
そして常に進化しろというメッセージ
 
ある時は所有する全ての物を否定しています。
 
最近はやたらと断捨離がブームとなっています。
ワタシもそのブームに乗ってはしゃいでいる一人ですが、溢れんばかりの物に囲まれた生活に「豊かさ」とは何かと疑問を抱く人が増えたのだと思います。
 
今まで押し付けられるだけ押し付けられた消費者にとって、これは大きな革命のようにも感じます。
 
自分に必要なモノだけを選ぶ。という大きな一歩です。
  
 
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ワタシが共鳴した断捨離的要素。

 
物語後半でファイトクラブのメンバーを一つの宿舎に集め共同生活を送ることになるのですが、そのメンバーに対して必要な物を語るシーンがあります。
 
要は黒い服装と自分の葬式代だけあれば良いのだと言い切ってます。潔いですね。
 
そして何と言っても今作品では究極の断捨離方法か披露されています。
 
それは
 
部屋ごと全て吹き飛ばす
 
この主人公も仕事の合間を縫ってカタログで家具を集めることに喜びを見いだしていましたが、問答無用です。
 
もうクヨクヨと要る・要らないの押し問答をする手間すら必要としません。なにせ全て吹き飛ばすんですから。
 
参考にはならないと思いますが(笑)
 
 
生きること、を自分に問う為に暴力という形で答えを探すことを選んだ主人公。
彼の本当の姿が明かされた時、映画史に残る美しいラストシーンが展開されます。
 
そして断捨離的にモノに対する執着心を消してくれる作品。少々荒っぽい方法ですが
 
全てを捨てて、自分の肉体だけでこの世界を堪能するのは最高に気持ちが良いのかもしれません。
そして、それが本来あるべき姿なのかもしれません。
 
映画、原作とも非常に優れた構成になっています。
 
暴走していくエネルギーは何処へ向かうのか?
主人公に名前が無いのは何故か?
タイラーとは何者なのか?
その目で確かめていただきたいと思います。
 
そして断捨離やミニマリストという言葉に興味のある方は是非その辺りを意識して今作を堪能してみて下さい。
 

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