映画『トイ・ストーリー5』 レビュー!スマホ時代の「本当の友達」とは?40代の親世代にこそ刺さるシリーズ最高の問い

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令和のスマホ時代「本当の友達」とは?

40代の親世代にこそ刺さるシリーズ最高の問いにどう応えるのか?

※本記事には『トイ・ストーリー5』の内容に触れる箇所があります。未鑑賞の方はご注意ください。

映画を観終わって私は無意識にスマートフォンを手に取りそうになっていました。

感想を検索しよう。

SNSを開こう。

他の人はどう感じたのだろう。

その瞬間、少しだけ笑ってしまいました。

『トイ・ストーリー5』が描いていたのは、まさにそんな私自身だったからです。

1995年に誕生した『トイ・ストーリー』は、おもちゃと子どもの絆を描き続けてきたシリーズでした。

しかし最新作『トイ・ストーリー5』は、それだけではありません。

本作が描いているのは、スマートフォンやタブレットが当たり前になった今の時代に、「本当の友達とは何か」「本当のつながりとは何か」を問いかける物語です。

そして40代になった今だからこそ、この映画は想像以上に深く刺さりました。

『トイ・ストーリー5』をレビューします。シリーズ最高傑作『3』に次ぐ感動作

結論から言います。

私は『トイ・ストーリー5』をシリーズの中でも『3』に次ぐ傑作だと思いました。

『3』はアンディとの別れを描いた、誰にでも訪れる「卒業」の物語でした。

『4』はウッディが自分自身の生き方を選ぶ、「自立」の物語でした。

そして『5』は、「つながり」の物語です。

便利になった現代社会で、それでも人は誰かと本当に繋がることができるのか。

これは子どもだけでなく、私たち大人にも向けられた問いでした。

『トイ・ストーリー5』あらすじ タブレット「リリーパッド」がもたらした変化

想像力豊かで内気な少女・ボニー。

そんな彼女のもとに、最先端タブレット「リリーパッド」がやってきます。

ジェシーやバズたちと遊ぶことが大好きだったボニーの日常は、そこで少しずつ変わっていきます。

画面の中には無限の楽しさがあります。

友達を作ることもできる。

何でも検索できる。

退屈することもない。

しかしその一方で、ボニーは少しずつおもちゃたちと過ごす時間を失っていくのです。

この構図はあまりにも現代的でした。

そして、あまりにも私たち自身でした。

『トイ・ストーリー5』はテクノロジーを否定する映画ではない

本作で最も素晴らしかったのは、リリーパッドを単純な悪役にしなかったことです。

リリーパッドはボニーを不幸にしたいわけではありません。

むしろ誰よりもボニーを幸せにしたいと思っています。

AIも。

SNSも。

スマートフォンも。

きっと同じです。

どれも悪意から生まれたものではありません。

便利にしたい。

繋がりやすくしたい。

楽しませたい。

そんな善意から生まれています。

だからこそ怖いのです。

悪意なら簡単に拒絶できます。

しかし善意によって、私たちは少しずつ大切な時間を失っていく。

『トイ・ストーリー5』は、そのことを決して説教臭くなく描いていました。

ジェシーが主人公だからこそ描けた「本当の友達」の意味

本作の主人公がジェシーだったことも素晴らしい判断でした。

ジェシーは過去に持ち主との別れを経験しています。

捨てられること。

忘れられること。

必要とされなくなること。

その痛みを知っています。

だからこそ、彼女はリリーパッドを単純に敵として扱いません。

ここが本作の好きなところでした。

本当の友達とは、自分を必要としてくれる人ではない。

相手が自分を必要としていなくても、その人のために行動できる存在なのかもしれない。

ジェシーはそんな友情を見せてくれました。

それは子ども向けアニメとは思えないほど成熟したテーマでした。

40代になるとジェシーに感情移入してしまう理由

若い頃はウッディに憧れていました。

主役。

リーダー。

誰よりも前に立つ存在。

しかし40代になった今、心を動かされたのはジェシーでした。

支える側。

見守る側。

次の世代を育てる側。

親になり、職場では後輩を育てる立場になり、自分自身も少しずつ役割が変わっていきます。

ジェシーも同じです。

年齢を重ねるとは、前に立ち続けることではなく、誰かを支える役割を受け入れることなのかもしれません。

この映画は、そんなことまで考えさせてくれました。

『トイ・ストーリー5』が親世代にこそ刺さる理由

子どもに、

「スマホばかり見ていないで外で遊びなさい」

と言ったことがある親は少なくないと思います。

でも映画を観ながら気づきました。

私自身も同じなのです。

家族との時間。

食事中。

休日。

通知が鳴れば画面を見る。

映画を観終われば感想を検索する。

私たち大人もまた、子ども以上にデジタルに支配されているのかもしれません。

だからこの映画は子ども向けではありません。

むしろ大人向けです。

しかも、親世代に向けられた映画だと思います。

『トイ・ストーリー5』考察 ウッディの不在が意味するもの

本作では、ウッディの存在そのものが大きな意味を持っています。

時代は変わります。

遊びも変わります。

価値観も変わります。

私たちも変わっていきます。

でも変わらないものもある。

誰かを大切に思う気持ち。

見捨てないこと。

相手を想うこと。

『トイ・ストーリー』シリーズがずっと描いてきたものは、結局そこだったのだと思います。

まとめ『トイ・ストーリー5』はスマホ時代の私たちへの優しいメッセージだった

『トイ・ストーリー5』を観終わったあと、私はスマートフォンをポケットにしまいました。

そして家に帰って、子どもと少しだけ話をしました。

「今日どうだった?」

それだけです。

特別な会話ではありません。

でもきっと、本当の友達や本当のつながりというのは、そういう何気ない時間の中にあるのだと思います。

便利さは否定しない。

テクノロジーも否定しない。

それでも画面の向こう側ではなく、目の前にいる誰かを大切にしたい。

『トイ・ストーリー5』は、そんな当たり前だけれど忘れがちなことを、笑って泣ける最高のエンターテインメントとして思い出させてくれる作品でした。

そして40代になった今だからこそ、この映画の優しさが、以前よりずっと深く心に響いたのかもしれません。

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