『さらば雑司ヶ谷』樋口毅宏は日本のタランティーノとなるか?
バイオレンスとエロとグロ、サブカルに満ちたノワール小説(?)。
そんな、まるでばくだん丼のような作品を探しているならこの小説を。
『さらば雑司ヶ谷』樋口毅宏氏は日本版タランティーノの到来か?
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あらすじ
中国から久しぶりに戻った俺を出迎えた友の死。東京、雑司ヶ谷。大都会に隣接するこの下町で俺は歪んだ青春を送った。町を支配する宗教団体、中国マフィア、耳のない男……。狂いきったこのファックな人生に、天誅を喰らわせてやる。エロスとバイオレンスが炸裂し、タランティーノを彷彿とさせる引用に満ちた21世紀最強の問題作、ついに文庫化。脳天、撃ち抜かれます。(「BOOK」データベースより)
タモリのオザケン論。
オザケン話だけでも読む価値あり。
「むかし、いいともにオザケンが出たとき、タモリがこう言ったの。『俺、長年歌番組やってるけど、いいと思う歌詞は小沢くんだけなんだよね。あれ凄いよね<中略>俺、人生をあそこまで肯定できないもん』って。あのタモリが言ったんだよ。四半世紀、お昼の生放送の司会を努めて気が狂わない人間が!」「タモリが気が狂わないのは、自分にも他人にも何ひとつ期待をしていないから。そんな絶望大王に『自分にはあそこあで人生を肯定できない』って言わしめたアーティストが他にいる?」
暴力的なほどのキャラクター設定
ワタシはどちらかというと目も背けたくなるような物語が好きです。
最低で最悪な話の方が何故か身に沁みます。これがワタシの想像力を感化させてくれます。
ファミリー向けで大衆娯楽で、前向きな作品だって嫌いじゃありません。意外と涙もろいのですぐ反応します。
今作品はどう読んでも大衆向けではないし、読み終わった後に感動が押し寄せるタイプではありません。話だって印象に残るようなものでもないかもしれません。
しかしここに出てくるキャラクターたちは皆面白い。
現代の耳なし芳一に始まり、脇を固めるキャラが濃いんです。以前平山夢明氏の『ダイナー』の感想を書いた時も思ったのですが、登場人物の濃さが物語を凌駕する瞬間が好きです。
丁寧に入り組んだ筋書きを読むのも好きですが、今作のように物語の進行をかすませてしまうほどの濃いキャラクターたちが好き勝手する話がワタシは大好きです。
しかしタモリのくだりは最高でした。。
平山夢明の『DINER』ダイナーがヤバイ。[browser-shot url=”https://diskdisk.link/diskdisk-diner-book2″ width=”600″ height=”450″ target=”_blank”]
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