最大の未解決事件「三億円事件」をテーマにした作品たち。
史上最大の未解決事件「三億円事件」
まるでルパン三世のような鮮やかな手口で嘘のように現金を強奪したこの事件に刺激を受け、テーマや題材にした作品は今もなお健在です。
今日はそんな三億円事件を題材にした作品たちをご紹介します。
ここまでくると最早ロマン⁉︎三億円事件の謎を追い求める作品たちをまとめました。
ワタシは昔からちょっと変わった(危険な)嗜好がありまして、1つは「猟奇殺人」をテーマにしたモノ、そしてもう1つが「実際に起きた事件」です。
平山夢明作品や友成純一作品なんかは見事に大好きですし、実際に起きた事件をテーマに作家さんが昇華させてくれる物語も大好きです。桐野夏生の『グロテスク』や真梨幸子の「フジコシリーズ」もそういう部分で共鳴したのかもしれません。
殺人鬼フジコの衝動も真実も厭な感じです。 |
桐野夏生の『グロテスク』に沈められて。 |
そして今日は日本戦後史の中で今なお謎に満ち、魅了的な未解決事件である「三億円事件」をテーマに扱った作品をご紹介します。
事件のあらまし
まずはこの三億円事件がどのような事件だったのかを簡単に説明します。
1968年、東京府中市で現・東芝のボーナスを積んだ現金輸送車が偽の白バイ隊員に乗っ取られた現金強奪事件であります。その鮮やかな手口、誰も実害を被ってないことなど、そのあまりドラマ性の高い事件は時効が成立し、戦後最大の未解決事件となりました。
そして数々の陰謀とともに今なお語り継がれる事件です。
三億円事件 一橋文哉
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ワタシがノンフィクション系の作品を読む時、まずはこの人が執筆したものを手にとります。
深く深くリサーチしている手腕。
柔軟な想像力としっかりとした文体で事件の真相に迫っていくので読み物として非常に面白いです。
この人の作品なら事件のことを知らずともいきなり読んで大丈夫だと思います。
読み終えたときには一人前に語りたくなるはずです。
父と子の炎
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三億円事件の犯人が息子だったらー?現職の警察官の父が味わう衝撃と親子の葛藤。
果たして息子を殺すことができるのか?究極の選択を前に父は何を想うのか…
ドラマ化もされた読み応え充分な本作。
初恋
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もはや一般に普及されたあの犯人のモンタージュ写真。しかし今作では大胆な解釈を加えて実は犯人は女子高生だった⁈というアレンジ。
事件当時、学生運動が活発だったという背景あってのこの解釈は悪くありません。
クロコーチ
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こちらは原作は漫画です。
テレビドラマ化もされ、事件の謎にぐいぐいと迫っていく痛快サスペンス。
ドラマ版ですっかりハマりました。
真犯人というよりもその裏に潜んでいる国家権力がぼんやりとその姿を見せた時の衝撃ったら。。
アンラッキーヤングマン
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藤原カムイ作画の漫画。
やはりここでも学生運動という時代のうねりのようなものが描かれています。
こういう若い衝動が見えないところで渦巻いていきながら日本という国がどう歪み、成長してきたのか。
漫画だからと侮れません。
そして今夜6/25『モンタージュ』がテレビドラマ化されますね。スペシャルで二夜連続でフジテレビより放映されます。
うまくできてると良いのですが。
あとがき、史上最大の謎は今も‥
この事件がここまでのインパクトを与えることになったきっかけはそのドラマチックな展開でしょう。
何せ警官の格好して現金強奪なんてまるで映画の話のようです。
そして大量に残された遺留品の数々…
囁かれる様々な陰謀と憶測…
犯人は警察関係者?
学生運動のアジトを探すためローラー作戦をするための口実??
結局真相は明かされることなく時効を迎え、こうしてたくさんの作家や作品に刺激を与え続けているんですね。
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