この切なさの正体は何だろう?『トイ・ストーリー4』について語ります。

なんだろう。

この切なさは。

感動の渦に巻き込んだ不朽の名作『トイ・ストーリー3』

あれ以上にないというほど完璧な終わり方だっただけに、実は本作を鑑賞するまでワタシは悪い予感すら抱いていました。

「だって、あれ以上のエンディングはさすがにもう作れないでしょう?」って。

「もう語るべき物語はないでしょう」って。

だけどそこはさすがPIXAR

本作でも職人技のごとくワタシたちの心にズバッと刺さる物語をぶちこんできました。

面白くて泣ける

もうお決まりの職人芸

そして今回は哲学的な問いをうまく織り交ぜながらも

ワタシたちは鑑賞後に不思議な居心地の悪さを覚えるのです。

タブーを破った『トイ・ストーリー4』

そんな鑑賞前のワタシの不安なんてお構いなしに本作『トイ・ストーリー4』は洋画アニメーション歴代1位の好発進。公開27日間で興行収入71億って、、これは順調すぎるスタートだったことでしょう。

しかし本作の評価は二分される。。

ワタシと同じような気持ちでいるトイ・ストーリーファンがたくさんいるんだから仕方がないでしょう。

そもそもトイ・ストーリーは完璧な物語として3部作で幕を閉じたんです。

だからもう語るべき物語はないはずなんです。

2010年から約10年近い月日を経てなぜウッディたちの物語を再び語る必要があったのか?

それほどまでに語るべき物語があるというのか??

それぞれの想いが交錯しながら本作の結末はある意味衝撃的すぎたんだと思います。

タブーを犯してまで本作が語りたかった物語は一体なんだったのか?

トイ・ストーリー4のあらすじ

ある日ボニーは、幼稚園の工作で作ったお手製のおもちゃのフォーキーを家に持って帰る。カウボーイ人形のウッディが、おもちゃの仲間たちにフォーキーを現在のボニーの一番のお気に入りだと紹介。だが、自分をゴミだと思ってしまったフォーキーはゴミ箱が似合いの場所だと部屋から逃亡し、ウッディは後を追い掛ける。シネマトゥデイ (外部リンク)

本作もウッディたちが所狭しと動き回り、大冒険を繰り広げます。新キャラクター・フォーキー、敵役として登場するギャビー・ギャビーたち。映画としても見どころ満載の本作。

あらすじに続いて本作の見どころと問題となったタブーについて書いていきたいと思います。

【ネタバレ注意】タブーを犯してまで語るべきだったのか?賛否分かれるトイ・ストーリー4の結末

さて、ここからいよいよ本題。

本作はこれまでのシリーズでは決して破られなかったルールを破ってしまいます。

これまでは持ち主が物語をおもちゃに与えることでそこに生命が宿るという設定がありました。それゆえにワタシたちはアンディに自分が子供だった頃の姿を重ね、そして確かに存在した自分だけの相棒に想いを馳せたのです。

おもちゃに対する愛着や愛情があるからこそ、そこに生命が宿り持ち主がいないところでもおもちゃたちがああやって右往左往してて欲しいなっていう、そんな純粋な童心が炸裂しこのシリーズは爆発的なヒットにつながったのだと思うんです。

だからこそウッディたちおもちゃには設定がしっかりと与えられていました。

それは持ち主がいる前では動かないというもの。

持ち主の前ではただのおもちゃであることが前提でした。

しかし本作はそのルールが破られる。。

バズは自分のボイス機能に紛れ込ませ自らの肉声を伝え、あろうことか車の運転にまで干渉するおもちゃたち。

そしてもう一つ

子供たちに物語を与えられないおもちゃたちは自らの物語を歩むことができるというもの。

言ってみれば野生化したおもちゃたちが自分たちの物語を描き出すことはタブーだったはずなのです。だからこそシリーズを通してウッディたちは持ち主との関係性をあれだけ大事にしてきたはず…??

しかし本作ではかつてのヒロイン?ボーの登場により危ういバランスを取り始めることになります。陶器の美人おもちゃ、過去の作品ではおしとやかなイメージが強かったですが陶器という性質上前作3には出演してなかった彼女。

本作では縦横無尽に暴れまわります。

こんだけアクションできるなら前作でも活躍出来たのでは?とも思いますが。

※ここでワタシは一言だけ言いたい、、というのも昨今の強い女性像を強引に描く演出、過剰じゃありませんかね?

そんな彼女の存在がウッディの心にある変化を与えることになります。

これまでの設定をちゃぶ台返しすることになろうとも

ウッディたちはいわば野生のおもちゃとして自由を選んだのです。

自分の存在意義、哲学する思考。絆と記憶はかくして語られる。【あとがき】

ちょっと斜めな感想となりましたが、それだけ本シリーズは完璧な3部作だったのだと思い知らされました。

奇しくもこの4がそれを証明してしまったようにも思えます。

ですがこの最新作も駄作ではないんです。そこがまた悔しいけど。

フォーキーという作られたおもちゃ

故障して選ばれなかったギャビーギャビー

飽きられて忘れられてしまいそうなおもちゃたち

それぞれが自分の存在意義を見出すために葛藤します。まるで後半は『攻殻機動隊』のよう…

圧巻の映像(特に冒頭の雨のシーンは素晴らしい美しさ、今回は光の映り方は必見です)にホラー要素溢れるアンティークショップ。それぞれの機能を活かした潜入シーンは笑いありドキドキありで普通に面白い。

自分の役目、存在意義を悟り新たな旅立ちを決意したウッディ

あの別れのシーンはこれまでのシリーズがあってこそ成立するカタルシスだったわけですし…

 

なんとも悩ましい作品でした。。

 

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