どんでん返しのラストに備えろ。映画『女神の見えざる手』の感想。

本/映画/感想

ロビー活動とは予見すること。

敵の行動を予測して対抗策を考えること。

勝者は一歩先を読んで計画し、自分の手を見せるのは敵が切り札を使った後。

相手の不意を突いても、自分が突かれては駄目。

ロビー活動??

単語は聞いたことあるけど一体どんな仕事なのかも分からないって人も結構いるんじゃないでしょうか。実際ワタシもよくわかってませんでした。

そんな人でも大丈夫。

本作は最後の最後にものすごい爆弾を仕掛けていて、観る者を壮大なカタルシスの渦に巻き込む【大ドンデン返しムービー】ですから。(作中でも「激震」と主人公自らが言い放ちますから)

難しそうだな、、と身構えることなかれ。

物語が始まればもう、止められませんから。

大ドンデン返し炸裂のラストに驚愕せよ。『女神の見えざる手』の感想。

久しぶりに熱狂した映画と出会いました。

それが本作『女神の見えざる手』

主演のジェシカ・チャステインが本当にキマってる。もう彼女以外この役は無理だろうなと。外見にまでにじみ出る知性とバリバリなワーカホリックウーマン。『ゼロ・ダーク・サーティ』ではビンラディンを追い詰め『モリーズ・ゲーム』ではギャンブル中毒の男たちを手懐けた彼女です。

本作がなぜここまでワタシを熱狂させたのか。

鑑賞し、その衝撃が冷めてきた頃に改めて2回目を鑑賞。やっぱり何度観ても面白い。

早速その理由を書いていきます。自然とこの映画の魅力が伝わると思います。

あらすじ

天性のロビイスト、エリザベス・スローン(ジェシカ・チャステイン)

大手ロビー会社に勤め戦略家としての彼女の業績は素晴らしく業界からも一目置かれる存在であった。そんな彼女にアメリカでも巨大な組織である銃の擁護派団体から反対派の法案を潰して欲しいという依頼がくる。

その法案が銃規制強化、これを廃案に持ち込めというのがクライアントの依頼。

しかしその場で彼女は笑い飛ばしあっさり断る。

彼女は自分の信念を貫くことを選び、コンタクトを取ってきた小さなロビー企業へ突然の移籍。彼女の部下を一緒に連れて絶対に勝てないと言われた戦いに没頭していく。

最初の誤算は最も信頼のおける部下が一緒に移籍しなかったこと…

だが彼女の卓越した戦略はずば抜けており、困難と思われていた戦いに勝ち目が見えてきたとき巨大な権力を持つ銃擁護派団体組織はかつての腹心や元同僚から彼女の癖やプライベート情報を聞き出し「彼女自身」を潰しにかかってくる…

さあ、激震に備えて。『女神の見えざる手』の見どころ

何度も言いますがこのラストのカタルシスはすごい衝撃を持っています。

膨大な情報量と科白のやり取り。スローンのまくし立てるような語り口調と策略合戦。

この作品の見どころはやはりこれ。

自分の味方にすらすべてを見せないスローン。彼女の「見えざる手」が見える瞬間に敵も味方も震えるわけです。もちろん観ている我々も。

A面B面展開だということを気づかせない、或いは忘れさせるスピード感。

これは伏線回収モノ、いわゆるどんでん返し系作品にはありがちな手法です。(最近だと『イニシエーション・ラブ』、『カメラを止めるな』とかが分かりやすいかな)つまり描かれているシーンの裏ではこんなことが起こっていましたという種明かしをして最後に驚きを与えるというものです。

本作ではスローンが仕掛ける戦略に我々は意識を集中してしまうので、この物語がA面B面構造を持っていることをつい忘れてしまうのです。

だけど冒頭でしっかりと「この作品はA面とB面がありますよ」っていう紹介されるシーンがあるんですよね。最初は気づいていたんだけどなー…

ジェシカ・チャステインのビジュアル、カッコいい女性の姿。

終始緊迫した雰囲気が漂う物語ですが、このビジュアルも良かったと思います。

少し冷たい感じの映像。やたら強調される彼女の赤いルージュ。社会派ドラマとしての面白さもあるのですが、それだけではない観る者を惹き付けるビジュアルがとても刺さりました。

身につける高級ブランド品に負けない存在感。

薬の力を借りてでも1日16時間以上ハードに仕事し、食事を選ぶ時間すら惜しむその姿勢。

常に先を読む彼女の行動は必ず次に起こる何かの布石となる。

こんなライフスタイル、、自分には出来ないけど少し憧れます。

そして本作の面白いところはこの主人公のドラマを描かないことです。この手の強烈なキャラクターにはつい「なぜこうなった?」とか「実はこういう悩みを抱えていて…」とか、なんというか人間味とか背景とかを描かれがちです。

もちろん本作にもそれを匂わす描写や説明は登場はするんですが、敢えて描いてないんでしょうね。

あくまで淡々とスローンの仕事っぷりが映ってるって感じ。そこがまた惹き付けられるんでしょうか。

信念を持って権力に立ち向かうっていう単純な構図ではあるのですが

陰謀と策略、スパイ映画のような展開もありなかなか中毒性がある本作。

最後に彼女が仕掛けた罠が見えたとき、本当にひっくり返ります。。

 

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