一度読んだら止められない⁉︎まさに呪い級の面白さ『ガダラの豚』。
もう何度も読み返してはその都度興奮させられる最高のエンタメ小説をご紹介。
全部で3巻にも及ぶ長編作品でありながら、読み出したら止まらない魅力を持つこの作品。
その名も『ガダラの豚』
今までも何度かやってきました【勝手に脳内キャスティング】。
面白い小説ほどアタマの中で映像化され、そのたびに勝手にキャスティングしているワタシ。
勝手に脳内再生とは、ワタシが読んでいて面白い本に対して湧き起こる映像化現象。
これを少しばかり紹介してみようというものです。
過去の脳内再生レビューはこちらからどうぞ。
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「呪い」にかかったかのように読まずにはいられない面白さ!『ガダラの豚』を勝手にキャスティング。
あらすじ
アフリカにおける呪術医の研究でみごとな業績を示す民族学学者・大生部多一郎はテレビの人気タレント教授。彼の著書「呪術パワー・念で殺す」は超能力ブームにのってベストセラーになった。8年前に調査地の東アフリカで長女の志織が気球から落ちて死んで以来、大生部はアル中に。妻の逸美は神経を病み、奇跡が売りの新興宗教にのめり込む。大生部は奇術師のミラクルと共に逸美の奪還を企てるが…。超能力・占い・宗教。現代の闇を抉る物語。まじりけなしの大エンターテイメント。日本推理作家協会賞受賞作。Amazonより引用
勝手に脳内キャスティング
大生部…竹中直人→アル中だけど呪術・民俗学のエキスパート。コミカルな動きと饒舌な感じが配役の決め手に。
逸美…西田尚美→娘を失ったショックから新興宗教にのめり込んでしまう。ちょっと影のあるシリアスな一面と、後半の吹っ切れた後の元気いっぱいな演技が似合う気がして。
納……神木隆之介 子役→最近はすっかり大人になった神木隆之介さん。今回は彼がまだ子役だった頃の印象にぴったりなので。
道満…松田翔太→無骨で硬派なイメージがぴったりな気がしたので。もう少しマッチョな感じでも良かったかとは思いますが‥
ミスターミラクル…小日向文世→これはもう最初に読んだ時からパッと浮かんだ配役です。
清川…DAIGO→これまたイメージとして最初に頭に浮かびました。特に物語前半のテンポの良さ、コミカルな感じは彼にぴったりでしょう。
他にも魅力的なキャラクターたちがたくさん登場しますが、今回は主要キャストを勝手に配役してみました。
trickの元ネタ?第1巻
ワタシが個人的に大好きなのがこの1巻です。
妻の逸美が怪しい新興宗教にはまってしまい、それをある番組で共演したミスターミラクルと助け出す話です。
ミスターミラクルは奇術や手品のトリックを研究し、そのネタを暴いては手品師やマジシャンたちを廃業に追い込むトリックハンター。
登場人物たちの背景をしっかりと描きながら、インチキ宗教家のトリックを暴くこの1巻がとにかく面白い
ちょいちょいおちゃらけたやり取り、登場人物たちのキャラの立ち具合、これ…
そうです。
あの人気ドラマ『trick』を彷彿とさせるテンポの良さと小ネタの数々。
ドラマ『trick』が好きなワタシにはこの小説はもう最強に面白いわけです。
trickと今作には類似点が数多くあり、それを鋭く指摘しているサイトもたくさんありますが…今日は話がそれるのでこの辺で止めておきます。
良く調べたなーとため息モンの第2巻
この第1巻で見事妻の洗脳を解き、テレビ局の思惑通りに家族でアフリカの呪術を取材する番組制作のためアフリカ大陸へと舞台を移した第2巻。
この巻ではアフリカで実際の呪術を取材する話となりますが、ほんと良く調べたなーって思います。
現地の人たちの生活を緻密な取材というか情報量に支えられてこそ、物語はより面白さを増すというもの。
教授一家と助手の道満に超能力青年の清川がアフリカを旅しながら最奥地で呪術家しかいないという村「クミナタトゥ」へ向かいます。
道中はとてもほのぼのとしていて現地のガイドである・ムアンギが良いキャラしてます。
大阪留学の経験がある彼は関西弁を流暢に操りながら主人公たちを現地までガイドします。
このガイドがなんとも皮肉めいていて良いです。
日本人の土人軽視というか、そういう差別的なことをちゃんと示唆してるあたりが好印象ですね。
この章でも登場人物たちはそれぞれとても生き生きとしていて彼らのやり取りを見てるだけでも充分楽しいです。ほのぼのしてます。
しかしこの2巻は呪われた村「クミナタトゥ」に到着してから暗転します。
「多くの場合、不幸は知ることによってもたらされる。だから心優しい神は、人間のほとんどを馬鹿者に造られたのだ」
ほのぼのドタバタ冒険記は 強力な呪術師・バキリとの出会いで急展開。
衝撃の真相が暴かれると同時にバキリとの直接対決へと物語は進んでいきます。
一気に急展開・第3巻のエンタメぶりに困惑⁈
さて、第2巻まで非常にスリリングかつ各キャラクターたちの掛け合いが面白く一気に読ませる勢いのあった本作ですが、この最終巻にて突然タッチが変わります。
それまでの緻密なリサーチによる裏付けがあるからこそ超面白く読み進めてきたのが、最終巻で急にエスパー対決メインの分かり易い構図に。
これはこれで悪くないのですがあまりにテンションが変わるためちょっと面食らいます。
なんというか、わざと映像化し易くしていると感じられる描き方で「呪術」や「トリック」とかのじめじめとした怪しさがなくなってしまいせっかく築いてきた雰囲気が損なわれてしまっているようで…
いや、、でも面白いんですけどね。
この分かり易さも。
あとがき
この作品を読んでいてまず脳内再生したのがサントラ。
今回はBattlesのミラーというアルバムがぴったりきました。
未読の方は是非、この呪いにかかってみてはいかがでしょう。
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