『ジェノサイド』映画化するならどのキャスト?勝手に想像しながら書評します
先に言っておきます。
凄い面白いです。久しぶりに読む手が止まらなかった作品です。
ワクワクしてドキドキして、先が気になって仕方ないそんなエンターテイメントとして一級の完成度を持つこの作品。
ワタシは小説を読む時、その作品が面白ければ面白いほど頭の中で「映像化」しながら読みます。
以前も書きましたが、勝手に映画化しちゃうんです。
今回もそれ、やらせていただきます。
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勝手に妄想・映画化するならこのキャスト 『ジェノサイド』を読んで
本当に読んでいて楽しかった作品。
脳内で勝手に映画化し、さらに楽しみました。
あくまでエンターテイメントとして。
あらすじ
急死したはずの父親から送られてきた一通のメール。それがすべての発端だった。創薬化学を専攻する大学院生・古賀研人は、その不可解な遺書を手掛かりに、隠されていた私設実験室に辿り着く。ウイルス学者だった父は、そこで何を研究しようとしていたのか。同じ頃、特殊部隊出身の傭兵、ジョナサン・イエーガーは、難病に冒された息子の治療費を稼ぐため、ある極秘の依頼を引き受けた。暗殺任務と思しき詳細不明の作戦。事前に明かされたのは、「人類全体に奉仕する仕事」ということだけだった。イエーガーは暗殺チームの一員となり、戦争状態にあるコンゴのジャングル地帯に潜入するが…。「BOOK」データベースより引用
勝手に妄想・キャスティング 映画化するなら誰?
書評に移る前に、まず今回ワタシが一番楽しんだ勝手にキャスティングをしちゃいます。
もはや、書評じゃないか…
なのでいきなりですがここから下は取り扱い注意です。
小説はやっぱり自分の好きなようにキャスティングしたりイメージしたりしたいはずです。
変な先入観を抱くことになりかねないので、ここから先はお気をつけください。
古賀研人
先日テレビドラマを眺めていて偶然発見した俳優さん。(最近人気急上昇中みたいですね)
このイメージがバッチリはまってしまい、主役である古賀研人はディーンさんに演じてもらいました。外国語に強いところも良いですよね。
古賀誠治
突然死んでしまい、謎を多く残した今回の事件の出発点であり、キーマンでもある古賀研人の父にはリリーさん。
疲れた感じと目の奥に秘めたミステリアスさ、神経質そうな学者姿がぴったりです。
李正勲
韓国人留学生
頭脳明晰で主人公のサポートをする重要な役です。
こちらは濱田岳さんに。何故かポンと浮かびました。
坂井友理
父と過去に同じ研究をしていたらしい女性。
謎を知る1人として序盤から現れる
物語の進行上はあまり関わってこないが、実はキーパーソン。
こちらは吉田羊さんに。
この作品は「父と息子」という構図が通奏低音としてしっかりと構築されているので女性の活躍はあまりないです。その中でいかに女性の強さ、存在感を発揮できるか?と考えて勝手に吉田羊さんを。。
菅井
大手新聞社の科学欄担当。かつて携わった記事で誠治とは知己の関係。作品のキーとなる「ハイズマン・レポート」のことで研人と接近。
仕事できるイメージと年下に優しい男という感触からこちらは谷原章介さんに。
ジョナサン・イェーガー
当然この作品の舞台は日本国内だけではない。
そしてアクションシーンのほとんどはこのイェーガー率いる特殊部隊が行うことになります。
病に苦しむ息子のためにこの不可解な作戦に参加することになったイェーガーにはジェラルド・バトラーさんを。
映画『300』のあのバトラーです。
きっと絵になるはず。
そしてその部下たち
ここからはちょっと簡単に
マイヤーズ……ユエン・ブレムナー(個性派でありながらブラックホークダウンでも良い味を出してました)
ウォーレン・ギャレット…トム・ハーディ(マッドマックスの時からイメージが強くて‥)
ミキヒコ・カシワバラ…金城武さん(狂気と語学力の面を発揮して)
ピアース(人類学者)…ロビン・ウィリアムズ(惜しい才能をワタシたちは失ってしまいました‥)
ルーベンス(若き政務官)…ギャスパー・ウリエル(知性と美貌を兼ね備えた若かりしレクターを演じましたね)
バーンズ(アメリカ合衆国大統領)…ビル・プルマン(元祖エイリアンと闘った大統領)
如何でしたでしょうか?
既にこの作品を読んだことのある方、イメージはどうでしょうか?
ではいよいよ脳内イメージを膨らませて、この作品の魅力に迫ろうと思います。
【ネタバレ注意】『ジェノサイド』を読む
この作品の魅力はなんといっても「テンポの良さ」。
まるでアクション映画を見ているかのように物語はハイスピードで進みます。
いきなり人類滅亡の可能性というインパクトのある単語が飛び出したかと思えば、一読ではすんなり入ってこないような化学の単語が応酬します。
難しい単語が飛び交うとテンポが落ちる…かと思えば研人とイェーガーの場面入れ替えが上手でそんなことは全然ない。
ほんと良く出来たアクション映画。
また、物語の核となる「謎」についても引っ張り過ぎない巧さがあります。割と序盤に謎の一部を明かし更に展開させていく手腕は見事です。
新人類の登場と自虐史観
人間という生き物に対して、作者はもう何か諦めたかのような節も見受けられます。
ジェノサイド=集団殺戮
これを行うのは人間だけだと。
そしてワタシたち人類は殺しあいを続けながら今日までやってきたのだと。
作中では集団殺戮や大量虐殺に関する情報が出てきます。その中で人間はいかに愚かで残虐かと語られていきます。
物語は小説としての読み易さ、面白さだけじゃなく
こうしてしっかりと主張も織り交ぜて進行していきます。
ちょっと日本人に対する考え方、日本国の歴史に関しては偏った描き方をしているかな?とも思いますが…
やたらと韓国や中国人に対して肩入れしている父の回想シーンや、やたらと残虐な日本人たちの姿を見せたりと。
これは李正勲という物語の中でも分かりやすい良識人として描かれているのに対して、日本人傭兵のミックのイカれ具合との対比が物語っているように思えます。
「父と息子」「対比する構造」
先ほども少し触れましたが、この作品は突然亡くなった父からのメールを受け取るとこから始まり、研人は父から遺された研究を引き継ぐ中で、父を想うのです。
一方でジャングルの奥地で極秘作戦に従事するイェーガーは激戦の中で瀕死の息子を想うのです。
そして新しく誕生したアキリを息子を守るかのように身体を張って守り抜くイェーガーやピアースたち優しい父親と何を考えているのか分からないからこそ怯え、恐れ、それを力で屈服させようと武力・権力を振りかざすアメリカ合衆国という怒れる父親。
この父と子視線が交わった時の迫力たるはもう鳥肌モンです。
新たな息子としての立ち位置であるアキリがどのようにこの父が作った世界を観たのか‥
何度も言いますが、最高のアクション映画ばりに興奮しました。
この興奮を作り出すのが、やはりテンポ感でありその絶妙な面白さを生み出しているのが「対比」させる構図でしょうか。
「父と子」という対比は言うまでもなく研人と父、そしてイェーガーと息子、どちらも実際には触れ合う場面はありません。
そして研人たちが製薬に挑戦する場面は非常にマクロで、静かで動きのない部分を担い、その反動をイェーガーたちがこれでもかとダイナミックに行動しまくります。
こういった対比にも注目しながら読むと更に自分を興奮させてくれるかと思います。
人類の進化
高度な知能を持っているという驕り
一方で平気で他人の頭上からミサイルを降らし、大量に虐殺することができる生物‥
哀しいかなそれが人間なんですよね。
人類の進化とは一体?
良心とは何か?
そういった哲学的な問題からサイエンス的な側面、科学的な知識をフル活用した一種謎解きのような面白さも兼ね備えた最高のアクションエンターテインメントです。
前述した通り、少々自虐史観が過ぎますが
それも1つ虚構の設定と流せれば、大満足できるはずです。
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