自ら騙されにいく映画『ピエロがお前を嘲笑う』【ネタバレ注意】
マインドファックムービー?!
聞き慣れないワードとともに気になって鑑賞してみましたが・・
普段騙されやすいワタシは
今回も簡単に騙されてしまうのでしょうか。。?
映画『ピエロがお前を嘲笑う』【ネタバレ注意】
だいたい「どんでん返し」モノというのは事前にそうであることが判ってしまった時点でかなり不利になるもの。
だからこれを売りにする作品というのは余程の覚悟が必要だし
そんじゃそこらのストーリーでは成り立たないリスクがあるわけです。
果たして本作はどうだったのか・・
あらすじ 『ピエロがお前を嘲笑う』
106分間、あなたが目にしたものは、果たして真実か?まさかの結末に、「100%見破れない!」「騙された!」という観客が続出。ドイツで大ヒット、ハリウッドでリメイクも決定!驚愕のマインドファック・ムービーが遂に日本上陸!!
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【結論】マインドファックされたい人はおすすめ
まずは結論から言います。
「どんでん返しモノ」が好きな人には物足りないかもしれませんが、サスペンスモノが好きな人はそこそこ満足できる仕上がり。
というところでしょうか。
と、いうのもやはり「どんでん返し」するぜって売りの作品は、最初からちゃんとそれなりに意識して見始めるわけですよ。
だから生半可な「どんでん返し」では「どんでん返されない」リスクがつきまといます。
そこへ作品内でも露骨にオマージュしてますが「ファイトクラブ」に対する色が強い。(フィンチャーほどこだわったアングルや色調はありませんが)
だからなんとなく結末も予想できてくる。
本作はさらにもう一発仕込むことで「マインドファック」を声高に叫ぶわけですが・・
終盤重要な台詞があって
「人は見たいものしか見ない」
まさにこれ。
騙されたい人が観れば面白い作品であることには間違いない。
【解説】お前は嘲笑われたか?
ここからネタバレ注意です、まだ観ていない方はお気をつけください。
ある事件から追い込まれたベンヤミンは出頭し、証人保護プログラムを申し出る。
その条件として今回のトラブルの発端になった天才ハッカーMRXの情報を提供すると。そして見事MRXの正体を暴き、逮捕へ導いたベンヤミンは証人保護の準備を待っていた。
しかし、担当捜査官ハンナはベンヤミンの話に違和感を感じ、彼の身辺を調べ始める。
そこで判明してくる数々の疑惑。
彼の母親が多重人格であったことから、主人公たちハッカーチーム「CLAY」もベンヤミン一人が人格を作っていたと判断する。
精神疾患者には証人保護を与えることができないという条件があり、主人公ベンヤミンの狙いは破綻したかに思えた。
だが、そこでハンナは自分の手柄につながった同情から、証人保護プログラムをベンヤミンに操作させ、結果的に彼を逃がすのだった。
そして次のシーンで我々は更に「驚かされる=どんでん返される」ことになる。
本作はこの二段落ちの仕掛けがポイント。
一つ目は多重人格オチ。これは先程のファイトクラブ同様。ハッカーチームそのものが幻。すべては自分自身が作り出した幻想であったオチ。
二つ目は、そう思わせておいて実はその多重人格オチすら囮で、さらに本当はベンヤミンたちが一枚上手だったというオチ。
と、たしかに最後におぉとなりましたが
果たしてどんでん返しと呼んで良いものか??
それだけが気になっている。。