映画『still dark』を観て感じたこと。【ネタバレ注意】

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この映画、何が一番気持ち悪かったかというと──  

「何が起きているのか」ではなく

「何も説明されないまま終わること」でした。

短編映画『still dark』を観て受けた衝撃と感じたこと【ネタバレ注意】

脚本監督主演:髙橋雄祐

はっきり言ってまったく存じ上げなかったのですが、この主人公ユウキを演じている髙橋雄祐さん。

良い役者だと思ったし、調べたら脚本も監督もしているという。

過去に目をぶつけて失明する危機があった体験から、本作品を作り上げたというエピソードも。

盲目の青年がレストランを訪ねるところから物語は始まる。

なんでも店のパスタが美味しかったのでこの店で料理人になるために働きたいと。

履歴書も持たずに突然訪れてきた盲目の青年に料理長は困惑するも、1か月後にパスタの試験を行ってやる、合格したら働かせてやると条件をつけて受け入れることに。

ここから見習いとして厨房で働きながら、日々修行に明け暮れるユウキ。

失敗ばかりだった洗い物や下準備の仕事も次第にやらせてもらえるようになり

先輩の料理人とも仲良くなり、閉店後に彼からパスタ作りのトレーニングを続け、いよいよ試験を迎えるのだが。。

なぜ『still dark』は説明しないのか この映画が観客に突きつけているもの

『still dark』を観ていて強く感じたのは、「不親切さ」でした。

物語は進むのに、背景は語られない。  

人物は行動するのに、動機は説明されない。  

そして結末に向かっても、明確な答えは提示されません。

しかしこれは演出の失敗ではなく、意図的な構造だと思います。

この映画は、「理解させる」ことよりも、  

観客自身に違和感を背負わせたまま日常に戻すことを目的にしている。

説明されなかったモヤモヤこそが、この作品の正体です。

『still dark』を観て感じたこと。

特にドラマティックな展開があるわけではないこの短編映画。

店主に直談判してから修行し、テストまでの一ヶ月の日常を淡々と描いているだけです。

だけど、リアルな会話を中心に必死に暗闇の中で修行を繰り返す主人公をヒリヒリとしたクールな映像で撮り続けている。それが、なんだか目を奪われるのです。

確かにいきなり先輩と仲良くなり過ぎだろ?とか一ヶ月でここまで順応できるのか?とか

感じてしまうこともなくはないのですが

下手に変なドラマ性がないから、余計に集中して「絵」を観れた気がします。

必死に手探りで探す姿

何気ない日常だけど、その日常を生きていくだけで必死な人もいるわけで

自分は生きること、目標を持って生きることに対してどこまで意識していたんだろう?って

なんだか考えさせられてしまった。

最後の最後でハッピーエンドではないのも好感。

人生ってそんなにうまくいかないよねって。

だけどこの一ヶ月、必死に生きたユウキ。

それが全てで、それ以上の答えはないんだと思います。

ワタシももっと必死に生きなくてはいけませんね。

今日は目を閉じて見つめ直してみます。

『still dark』は、分からないままで終わる映画ではなく、  

分からない感覚を持ち帰らせる映画なのだと思います。

 『still dark』が刺さった人におすすめしたい、似た感触の作品

『still dark』を観て「よく分からないのに忘れられない」と感じた人は、以下の作品とも相性が良いと思います。

▶︎徹底解剖『アイズワイドシャット』衝撃作をいくつかのパターンで考察してみました。

▶︎ 『ガダラの豚』は映画化できるのか?映像化が不可能と言われる理由と、それでも観てみたい異様な世界

▶︎ 映画『アンダー・ザ・シルバーレイク』考察|この映画は何を見せていたのか

説明を拒むことで不安を増幅させる構造、理解不能なものをそのまま投げつけるという点で通じるものがあります。

どれも、観終わったあとに  

「結局、何だったんだ?」  

と考え続けてしまうタイプの作品です。

良かったら読んでみてください。


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