映画『日本で一番悪い奴ら』実話がモデルになったって本当か?!

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悪い刑事物って何故か惹かれるんですよね〜

ってことで今回は悪徳警察物でも、なんと実話をベースにしたという曰く付きの作品を鑑賞したので早速感想・見どころをご紹介します。

ついでにこの作品は実話をベースにしたということなので、モデルになった人物や事件についても調べてみました。

作品鑑賞後になんかモヤモヤするなーって気持ちを分かち合えたらと思います。

実話をベースに作られた悪徳警察映画『日本で一番悪い奴ら』の感想【ネタバレ注意】

あらすじ

実在の事件をもとに描いた「凶悪」で話題をさらった白石和彌監督が、2002年の北海道警察で起こり「日本警察史上最大の不祥事」とされた「稲葉事件」を題材に描く作品。綾野剛が演じる北海道警の刑事・諸星要一が、捜査協力者で「S」と呼ばれる裏社会のスパイとともに悪事に手を染めていく様を描く。大学時代に鍛えた柔道の腕前を買われて道警の刑事となった諸星は、強い正義感を持ち合わせているが、なかなかうだつが上がらない。やがて、敏腕刑事の村井から「裏社会に飛び込み『S』(スパイ)を作れ」と教えられた諸星は、その言葉の通りに「S」を率いて危険な捜査に踏み込んでいくが……。暴力団と密接な関係を持ち、諸星に影響を与える村井役で、「凶悪」に続き白石監督とタッグを組むピエール瀧が出演する。映画.comより引用

映画『日本で一番悪い奴ら』の見どころ

悪い刑事物はこれまでも色々観てきました。

特にここ最近だと『孤狼の血のシリーズがかなりヤバかった作品として記憶に新しいですが、実話に勝るものはありません。

今作のおぞましさはなんといっても実話をモデルにしているという点に尽きます。

これは稲葉事件と呼ばれていて、2003年4月21日に北海道警察の警部である稲葉氏が覚せい剤の使用、営利目的所持、銃刀法違反の罪に課せられた事件です。この方、懲役9年、罰金160万円の有罪判決を受け刑期満了後にこの映画の原作となる『恥さらし』を執筆しました。

現役の警部が覚せい剤の使用で逮捕されたのは、北海道警察で初めてでした。札幌地裁はそれに対して、「幹部警察官による前代未聞の不祥事」として判決を言い渡しました。北海道警察のやらせ捜査や銃刀法違反偽証などの不祥事も芋づる式に発覚し、2003年には北海道警裏金事件も明るみに出ました。稲葉氏は北海道警察の銃器対策課がおこなっていた違法捜査に関与していて、捜査費を工面するために自分自身で覚せい剤の密売をするようになったと言います。

映画だからオーバーな演出はあったとは思いますが、まさか現実に本当にこんなことがあったというのは衝撃ですね。

前半は意気揚々と上り調子で上がっていき、その後の急下降。このコントラストは見ものです。

裏切った黒岩とは実在するの?作中で描かれていないその後は・・?

さて、これが実話をモデルにしているということでワタシが一番気になったのはシャブを持ち逃げし、裏切った黒岩という人物です。

物語としてもこの黒岩が絡むことでずんずん進んできただけに、この人物も実在したのだと思うのですが、劇中では裏切ったあと一切登場しないし触れられることもない。

気になりますよね。

調べてみたところ、この人物は本当に実在します。

120キロのシャブ(実際は130キロあったようです)を持ち逃げし、うまく大金を掴んだのかというとそうではないようで、その後香港のマフィアとトラブルになり警察を裏切ってまでやったわりには幸せは掴めなかったということです。

ただ、稲葉氏の発言からもまだ存命で北海道で暮らしていることが分かっています。

あとがきにかえて

実話をベースに、というとだいたい感動系を思い浮かべるのですが、個人的にはこういうダークで悲惨な実話物が好きです。我々の現実社会って、きっともっと汚れてて、臭くて残酷なんですよね。そこにうまく蓋をして成り立っている。

真面目一筋で希望に満ちた前半の主人公の瞳が、あっという間にどす黒く染まっていきながらも、ラストの純粋さを失っていない様子がまた余計に悲惨。。

そして綾野剛の演技ってこれまであまり良い印象がなかったのですが、こういうテイストだと意外と映えるなって。若造に一本背負いされたときの表情とか、後半のヤク中の演技は圧巻です。

 


恥さらし 北海道警 悪徳刑事の告白 (講談社文庫)

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