映画『ミュージアム』と『セブン』の共通点。ネタバレと結末をもう一度考える。
サスペンスの金字塔『セブン』を意識し過ぎたか?
それとも本気で勝つつもりだったのか?
強烈なインパクトのある連続殺人事件・犯人からのメッセージ・終始雨・犯人を追うイケメン刑事
まさにあれですね。ブラピのあれ。
と思いながらも見ました本作品『ミュージアム』
漫画が原作でしてそちらのほうは少し読んだことがあったので、映画化されたときはチェックしなきゃなと思ってました。
Amazonプライムでようやく鑑賞。
思った以上にグロテスク。間違っても家族で見ちゃダメな映画でした。
まさにブラピのあれでしたが。(しつこい)
ではいきましょう。
映画『ミュージアム』鑑賞。猟奇的連続殺人事件を追う刑事を小栗旬が熱演【ネタバレ注意】
巴亮介の漫画が原作の本作。ヤングマガジンで連載され漫画は全3巻完結済です。
原作もかなりエグい作品だっただけに映像化は大丈夫なのか?と思いながら鑑賞スタート。
監督は大友啓史さん。
大河ドラマ『龍馬伝』や映画『るろうに剣心』などが代表作でしょうか。今思えば『るろうに剣心』も実写映画化でしたね。
さてさてどうだったのか。超個人的な感想を綴ります。
あらすじ
現場に謎のメモが残される猟奇殺人事件が矢継ぎ早に発生するが、その事件は雨が降る日のみ起こっていた。一連の事件の関連性を察知した沢村久志刑事(小栗旬)は、自分の妻子が狙われていることを知る。やがて、カエルのマスクをかぶったカエル男の存在が浮かび上がり、犯人に近づいていく沢村だったが、カエル男の仕組んだわなにはめられ窮地に陥り……。
結論から言うと割と楽しめたんです。
原作のストーリー、世界観はしっかりと映像化されていましたしね。小栗旬を始めとするキャスティングも良かったと思います。相変わらず尾野真千子さんの雰囲気っていいなーって思いましたね。
そしてなんといっても妻夫木聡。
ほんとはこういう役やりたかったんだろうなって思うと、過去の爽やか青年像も少し歪んで見えます。
雨の中アグレッシブに動きまわる小栗旬は『クローズ』に軍配が上がりますがそれはそれ。
やっぱカッコいいですよね。
肉体的にも精神的にもズタボロになっていく姿はまさに熱演だったんじゃないでしょうか。
演者たちのそういうエネルギーもあって非常に良い作品だったと思います。
ただ鑑賞後に「あー愉しかった」っていう程ワタシもサイコではないのでなんか嫌な感覚は残ってますけど。。
さて、この作品の感想を語る上で避けて通れないであろうことがあります。
しつこいくらいにワタシが言った映画『セブン』との関係についてです。
いや、別に避けて通る人が大半で個人的に固執してるだけかもしれませんが、そこの部分に焦点を当てて語っていこうと思います。
映画『セブン』と『ミュージアム』の関係とは?日本的解釈が功を奏する場合もあるということ。
そもそもこの2つの作品が似ているというのは最初からネットを始めとした様々なところで指摘されていました。
おそらく原作が既に意識し過ぎていたんでしょうね。
・猟奇的連続殺人事件
・犯人からのメッセージ
・実は犯人に会ってる
・雨
・主人公の家族がフックになっている
・追跡シーン…などなど
ざっと思い返してもこれだけの共通ポイントがあげられます。
原作が似せてしまっている以上、映画版ミュージアムがセブンに似ていると指摘するのではあまり芸がないので、似ていること自体について揚げ足を取るようなことはしません。
むしろあれだけ類似した作品をちゃんと『ミュージアム』という世界観で表現した制作陣の力量を感じました。
日本的に解釈って言い方が適しているかは微妙ですが、消化しやすいようにアレンジされたんだなと。
そういう部分を見どころとしてワタシが感じたままに羅列しますね。
1 動機が明確
映画『セブン』の犯人ジョン・ドゥはキリストの教えである「七つの大罪」を軸に緻密に計算された連続殺人を実行しました。しかしその動機はその社会、世界に対しての憤りであり正直キリストの教えも深く知らない我々がパッっとイメージできるものではありませんでした。
その点今作は非常に明快。
犯人の承認欲求という極めて分かりやすい動機が説明されます。しかも犯人がちゃんと語るという。。
2 ちゃんと主人公が主導権を握る
セブンとの決定的な差。それはこの作品は刑事沢村が自らの推理と行動力を持って自力で犯人にたどり着くという点です。一方セブンは終始主導権は犯人が持っていました。
どんだけ推理しても次々と事件は起こり、犯人は最後の計画を持って自主してくるわけですからね。主人公ミルズたちは結局自分たちの力では解決出来なかったのです。(最後の最後で力を行使することになるのですが…)
捜査から外され、たった一人家族を助けようと行動する沢村。雨というシチュエーションからヒントを得て犯人に辿りつく過程は火曜サスペンス劇場なんて文化を持っていた我々には馴染み深いものがあるでしょう。
3 負けず劣らずなギミック
はっきり言って欧米の残酷性と日本のそれをは趣が異なります。
『ゲーム・オブ・スローンズ』でも嫌というほど向こうの残酷性を体感しましたが、日本だって負けてはおりません。むしろ島国ならではの培ってきた歴史が違います。
猟奇殺人のギミックも『セブン』と似通った部分はあるものの負けてないんです。
犬に食わせる。肉を切り落とす。真っ二つに割く。凍らせる。針千本飲ませる。そして家族を食わせる…
どうでしょうか。
七つの大罪に負けない私刑の数々。特にラストの愛する家族がハンバーガー…のパートはディティールも凝りすぎ。。こういう芸の細かさは日本ならでは。
セブンは首を見せないことで凄まじい効果を生み出しましたが、モロ見せですからね。やるとなったらとことん凝るってのは性分ですかね。。
4 セブン超え?!原作をも凌駕した後味の悪さ
以下ネタバレ注意です。
とにかくこの映画版の結末ったら。。後味悪いのなんのって。。
お手製ハンバーガーで家族を食べてしまったかも?って思わせ主人公の精神を崩壊させてからの最後の仕上げ。
ここまではある意味想像つくわけで、怒りに駆られた沢村が自身の手で妻を射殺しカエル男の作品は完成するはずでした。結局そうはならずに事件は解決します。
原作ではその後沢村は刑事を辞めてカウンセリングに通う姿が描かれます。そして何やら意味深なショットで幕を下ろす。(個人的には家族は助からなかったのでは…?と思ってますが。。)
これはこれで結構後味悪いんですが問題は映画版。
光線過敏症の犯人が外に出てしまい倒れ、その後集中治療室で殺害されます。
その時に語られる
「その症状は心因性による後天的なもの」であるという事実。
そして続けざまに映し出されるラストショット。
沢村夫婦が仲良く見守る息子の運動会
ビデオに撮影されるのは首を掻きむしる息子の姿………
でぃすけのつぶやき
この手の作品はとにかく強烈なインパクトばかりが先行してしまいます。
カエル男のキャラクターも然り。
まるで片桐仁かっていうくらいよく出来たカエルの仮面とかもそうですし、殺害方法、ディティールがそうしたインパクトを生み出します。
しかし鑑賞後は想像以上に後味の悪い結末をぶち込んできて驚きました。
『セブン』と似てる似てないなんて話が吹き飛ぶ程の後味の悪さ。
あれ最後どう思われます?
幼いときのトラウマから光線過敏症になり、自らをアーティストと名乗る殺人鬼へと成長するカエル男を想起させるあのラストはほんとに衝撃。
ビジュアル的なインパクトよりもじわじわ来る恐怖っていうんですかね。。
最後に日本的な薄気味悪さを持って来られてまんまと沈んだわけです。
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