『クラッシュ 風景が倒れる 人が砕ける』を読んで。
人はいつ死んでもおかしくない
文化文明が発達し、ワタシたちはその真理をつい忘れがちです。
いつ何が起こってもおかしくないのです。
今年はたくさんインプットしようと、年間50冊、映画は20本を目標に楽しもうと計画を立てています。
さて今年4冊目はちょっとぞくっとするこちらの作品です。
『クラッシュ 風景が倒れる 人が砕ける』
小説ではなく、実際に起きた事件・事故・震災を振り返るルポになります。
扱う事件は
尼崎脱線事故
18歳連続殺人事件
阪神淡路大震災
911同時多発テロ
と世界を揺るがすような大きなケースから、未成年の心の闇に迫るものまで広範囲です。
特に阪神淡路大震災をまとめた章は鬼気迫るものがあり、被災された方の証言や体験談を織り交ぜ、涙を誘われます。
特に老人が倒壊した家の中から孫を引っ張り出せず、目の前で失ってしまった話などは心が引き裂かれる想いでした。
事実は小説よりも奇なり ノンフィクションが教えてくれるもの
小説に限らず、優れた作品はワタシにたくさんの感動を与えてくれます。
そしてその感動はワタシの中で生き続け、心の友としていつまでも影響を与え続けてくれます。
ある意味では、ワタシという人間を形成している大切な部分を占めていると言っても良いでしょう。
しかし当然のことながら、作り物だけでは人は生きていけません。
だから人は所詮動物で、無力で卑しい生き物だということを思い出させる必要があります。
それが出来るのは事実や歴史です。
先人が自分の無力さを知り、慟哭してきた歴史を追体験することでワタシも危機感に似た戒めを覚えるのです。
一応平和なこの国で、ぼんやりとした日常生活の中では滅多に生命の危機なんて感じないし、自分の動物としての無力さを知る機会もない
願わくばそんな体験はしたくないけど
この世界はそんな危険と隣り合わせだということを
ちゃんと知っておかなくてはいけません。
今の社会はそんな危険を巧妙に隠してしまうから
常に死を意識することで、人生をもっと大切に使う
先人たちの慟哭を聴き、ワタシは自分を奮い立たせることにします。
この本に書かれている全ての犠牲者たちに
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