【映画レビュー】『ザ・メニュー』が突きつける贅沢と消費の罠|40代が観て感じたこと

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これは品の良いブラックジョークなのか?

それともただの意地悪なショーなのか?

2022年に公開された映画『ザ・メニュー』(原題:The Menu)。

高級レストランを舞台に、選ばれし客たちが体験する“究極のフルコース”が物語の中心ですが、その裏にはブラックユーモアと強烈な社会風刺が隠されています。

今回は単なる映画の感想だけでなく、「40代のライフスタイル視点」から見えてくるテーマも交えてレビューしてみたいと思います。

人生「味わって」ますか?映画『ザ・メニュー』を観て感じたこと。

映画『ザ・メニュー』の基本情報

  • 公開:2022年(アメリカ)
  • 監督:マーク・マイロッド
  • 出演:レイフ・ファインズ、アニャ・テイラー=ジョイ、ニコラス・ホルト ほか
  • ジャンル:サスペンス・コメディ
  • 上映時間:106分

あらすじ(ネタバレなし)

舞台は孤島にある超高級レストラン「ホーソーン」。

一晩に数十万円もするコース料理を味わうため、招待された限られた客が集まります。

料理長スローヴィク(レイフ・ファインズ)は、客たちに「食」を超えた“体験”を提供しようとするのですが、そのメニューの内容が次第に常軌を逸し、招かれた人々はとんでもない結末へと追い込まれていきます。

ここから本作のポイントをまとめてみようと思います。

料理は「消費」の象徴。

この映画の面白さは、食事が単なる“”ではなく“消費文化”の象徴として描かれている点です。

裕福な人々がブランドや肩書きで料理を選び、本来の楽しさや感謝を失っている姿は、現代社会そのもの。

観ていて「食べることがこんなにも不気味に見えるなんて」と驚きました。

緊張感と笑いが同居する演出。

全編を通して漂うのは、不穏な空気とブラックユーモア。

恐怖を煽りながらも、時折くすっと笑える場面があり、このバランスが絶妙です。

特に、料理長スローヴィクの“狂気とプロフェッショナルが紙一重”な姿は圧巻。

観客は「次の料理は一体何を意味しているのか?」とドキドキさせられ続けます。

40代から見えたテーマ

映画を観ていて一番刺さったのは

成功しているのに幸せそうじゃない人々」の姿でした。

招かれた客たちは一見、羨ましいほどの地位や財産を持っています。

でも、その表情や会話からにじみ出るのは「退屈」「虚しさ」「満たされなさ」。

料理長が提供する“究極の体験”に酔いしれるどころか、誰も心から楽しんでいないのです。

これって40代の今、自分たちの生活にも通じる部分があると感じました。

  • 仕事では、ある程度の役職や収入を得ても「本当にこれがやりたかったことか?」と自問する。
  • 家では、家族や暮らしを守る責任感がある一方で、「もっと自由に楽しんでいいのでは?」と思う瞬間がある。
  • 趣味や遊びも、効率や成果を意識しすぎて純粋に楽しめなくなる。

映画の中で料理長が投げかける問いは

結局こういうことなのだと思います。

「あなたは今、人生を“味わって”いるのか?」

20代や30代の頃には気にならなかった“生き方のバランス”が、40代になると一気に重みを持ちます。

贅沢や効率を追い求めすぎると、逆に人生が味気なくなる。

一方で、シンプルでも自分が心から楽しめる時間には、何ものにも代えがたい豊かさがある。

『ザ・メニュー』はグルメ映画に見せかけて、そんな人生の本質を強烈に突きつけてきます。

40代の自分にとっては、「ただ食べる」こと以上に「どう生きるか」を考えさせられる一本でした。

最後に

『ザ・メニュー』はただのサスペンス映画ではなく、贅沢や消費社会への痛烈な風刺作品です。

そして40代目線で観ると、人生の本質や「楽しむことの意味」を深く考えさせられます。

もしあなたが日々の暮らしの中で「何か物足りない」と感じているなら、この映画はきっと強烈な気づきを与えてくれるはずです。

食と消費、そして人生を見直す一本としておすすめです。

 


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