viva 新選組。

disk-shinsengumi1ワタシの作品

彼らが残したものは何だったのか?

敬愛する新選組について。

学生時代、歴史の授業があまり好きではありませんでした。言葉では上手く言えないのですが、心の中でどうせ暗記さえすれば良いのだろうという思いがあったからだと思います。

ワタシの母親は日野市という東京の外れの出身です。普段から素っ頓狂な発言の多かった母がある日こんなことを言うのです。

「小学生の頃は同級生に土方ってのが結構いたね。」

日野市といえば新選組、当時ワタシは大学生でキャンバスが日野の先だったのでしょっちゅう新選組のチラシやらのぼりを見ていたので漠然と反応したものです。

そして新選組といえば土方歳三っていうことくらいは歴史に無頓着なワタシでも知っていましたので、母の発言は結構興味深いものでした。

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viva 新選組

いつだって凝り性なワタシ。一度興味が湧けばとことん掘り続ける犬のような習性を持ち合わせていますので、早速読み漁るわけです。新選組関連書を。

最初は父の書棚にあった『新選組血風録』でした。これはもう有名な司馬遼太郎氏の新選組を扱った短篇集になります。ですが新選組初体験者としてはちょっとピンとこなかったと言いいますか、毎回違う隊士を主役に描くのですがその隊士のことが分からなければ、時代背景も良く理解していなかったので難解なデビュー戦となってしまいました。

ということでやっぱり新選組をテーマにした小説では一番メジャーな作品を手に取ることにしました。それが『燃えよ剣』です。こちらも司馬遼太郎氏の作品で、主人公を副長・土方歳三に新選組の成り立ち、当時の時代背景、そして悲劇の歴史、全てが網羅されており、新選組初心者は先ずこれを読めば間違いなかったのだな、と独りつぶやいたものです。

時系列が分かってくるとふと気がつくことがあります。

で、新選組って何をしたんだろうって。

ワタシが思う歴史に名を残す人たちって必ず何かを成し遂げた人たちだと思っていました。でなければわざわざ語り継がれることはないだろうって。

この幕末という時代は特に日本が激しく変わろうとしていた時代のようで、有名人もたくさんいます。そしてその人たちはみな、何かをした人たちなんですよね、坂本龍馬然り。

しかし、新選組って何をしたんだろう。

この想いは色々な作品を読み続けることで益々深まっていくのでした。

歴史は勝者が書き換える。

もう誰もが知っていることですが、江戸幕府は薩長同盟の前に為す術もなく倒されてしまいました。およそ260年ほど続いた徳川家の統制が終わり、世の中は明治へと開いていくことになります。

さて、新選組。

この江戸幕府の手先として大活躍しただけあって新しい勝者であった薩長の受けがかなり悪かったようです。新選組局長である近藤勇に至っては断首、もう切腹すらさせてもらえない程の怨まれようです。

なので新時代が始まってからしばらくは新選組というのは悪の暴力集団として認知されていたようです。

これは仕方ないですよね、いつだって負けた方は何も言えませんから。

今だってアメリカに対して‥‥話が逸れそうなので止めておきます。。

丁度ワタシが新選組に興味を抱いたあたりは空前の再評価ブームの真っ只中でした。NHK大河でも新選組が取り上げられ、書店では関連書が積まれていて、ワタシとしても一気にたくさんの作品を読み漁ることが出来たことを良く覚えています。

そして彼らのことを調べる日々の中で気がついた、ワタシが新選組に惹かれた理由は至って単純なものでした。

「尽くす」姿。

彼らが歴史の表舞台に上がり、京都で大活躍してから国賊として駆逐されるまでたった6年間です。歴史上特筆すべき華やかな行動もなければ歴史を変えるほどのキーポイントになったわけでもありません。

ただ江戸幕府に尽くし続けた若者たちが、時代に翻弄されて散っていったのです。

破滅の美学とかいうとちょっと語弊がありますが、どうしたってワタシにはその姿が美しく見えてしまうのです。

恐らく本人たちだって

「こりゃヤバイな」って思ったと思います。

時代がどんどん逆風強くなり、それまでかざしていた正義がある日を境に悪になる。価値観がひっくり反る衝撃です。それでも戦い続けたんですからね。素晴らしい。

勝者が何度歴史を書き換えようと、結局そういう「想い」や「決意」みたいな、人間の意志の力までは上書き出来ないんでしょうね。何度リライトしても残ってしまう意志のデータ、永遠に消えない執念を新選組は歴史に書き込んだんですかね。

新しいライフワークとして

今だにワタシは新選組を扱う作品を見かけると手を出してしまいます。当たり前ですが、もうどれを読んだって結末は同じだし、歴史は変わらないのでだいたいの流れも分かってしまいます。

それでも彼らをテーマにした作品はワタシに刺激をくれます。

凝り性なワタシは同時に飽き性なのですが、この新選組に至っては飽きることなくもう6年以上も読んだり調べたりを続けています。

そろそろライフワークとして紹介しても良いのかもしれません。

密かに関連資料を集めてノートを作っています。そしてこれらを題材に自分で何か作品を作ってみたいなと思っています。いつになるか分かりませんが、また報告します。

 

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コメント

  1. […] viva 新選組。 […]

  2. […] //     もう随分と前から構想していた新選組を題材にして何か作ろう計画ですが、やっと動き出せそうです。   以前から新選組に関することや、それにまつわる自分の作業の話なんかをさせてもらいました。   […]

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