『無垢の祈り』が映像化だって?!!原作を読み返してみた。
無垢の祈り
ま、まさかこの短編作品が映像化?
う、嘘でしょ……?
ワタシの大好きな作家平山夢明氏。
あまりに凶悪で残酷な描写が多いので、彼の作品は映像化しちゃいけないんだと勝手に思っておりました。
※映像化できないのかしちゃいけないのか…分かりませんが。
映像化不可能だと思ってた『無垢の祈り』がまさかの映画化。
そんな氏の代表作に『独白するユニバーサル横メルカトル』という恐ろしい短篇集があります。何が恐ろしいって収められている短篇、その全てが凄まじいまでの暴力と残酷な描写、高度なインテリジェンスが冗談のように溢れているのです。
この短篇集の中でもとびきり目を覆いたくなるような、もうこれ以上ページをめくれないよ、、となる作品、それが『無垢の祈り』です。
小さな娘を持つ身としては
これはちょっと辛いな…って思ってた作品がなんと
なんと
まさかの映画化‼︎
嘘でしょ…⁈
今日はこのまさかの映画化のニュースを受けて、まだ平山夢明作品に浸かったことのない人、またはこの映像化が楽しみな人に向け、とりあえずこの作品を振り返り予習しておこうと思います。
原作を読み返してみて
とにかく小学生ふみのこの救いの無い日常…
義父から虐待され、母親は怪しい新興宗教にどっぷり浸かり、学校では虐められ…
既に身体はボロボロ
少女は暴力に慣れてしまい、唯一大人になったら「セーケイ」して治すことだけを気にする程度にまで傷だらけに。
読んでも読んでも絶望的な日常が描かれていて辛くなります。
そんなある日、近所で連続殺人事件が発生します。
ふみはまだ見ぬ殺人鬼に自分のこのクソッタレな毎日を壊して欲しいと願い、事件現場を訪れてはメッセージを書いて残すことを始めます。
まるで巡礼のように。
果たして少女の無垢なる祈りは届くのか?
あとがき
ほんと何度読んでも辛いこの作品。
良くまあこの作品を映像化しようと思う人がいたものです。
世界にはどうしようもないくらい残酷なことも、くだらないことも、目を覆いたくなるような暴力が蔓延しています。
戦争、殺人、虐待、いじめ、そしてテロ…
人はどこまでも残酷になれるし、暴力的になれるのです。
そんな世界ですが
もちろん暗い部分だけではありません。
人は人を愛し、生命を作り、文化を発展させてきました。世の中の明るい部分ですね。
同じ人間が生み出してきたとは思えませんが・・
暗い部分である暴力や残酷な景色が現実に再現されないように、こうして作品として表現されることにとても重い意味があると思います。
人の想像力を信じて。
せめてワタシは明るいほうを信じていたいものです。
どうせなら同作品集の中から『Ωの聖餐』を映像化して欲しかったな。。
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