普通のホラー映画にはない緊張感『ジェーン・ドゥの解剖』
本当に怖かった。。
家族が寝静まった後
1人寝る前に観たのですが…
いやー怖かった。。寝る前に観たこっちも悪かったけど、、これは眠気が吹き飛ぶ怖さでした。
そして怖いだけじゃない。
尋常じゃない緊張感。。
この映画はひょっとしたらこれまでにない新しい怖さなのかもしれない。
ということで早速感想書いていきます。
いつものようにネタバレ注意・今回は就寝前の人も取り扱い注意でお願いします。
映画『ジェーン・ドゥの解剖』は普通のホラー映画じゃない!新しい怖がらせ方について考察【ネタバレ注意】
はっきり言って久しぶりに怖いもの観ました。
この不気味さと怖さの共存
一貫して密室劇で完結するシチュエーションホラーとしては異常なほどの緊張感。
よくあるホラー映画の脅かす怖さってあるじゃないですか。
それとは違う怖さ
なんというか、、不気味な怖さなんですよね。
あらすじ
身元不明の女性の検死を行うことになった検死官の親子が、解剖を進めるうちに怪奇現象に襲われるホラー。遺体安置所での逃げ場のない恐怖をリアルな解剖シーンと共に描き、トロント国際映画祭など世界各地の映画祭で高い評価を得た。監督は、『トロール・ハンター』などのアンドレ・ウーヴレダル。検死官の親子を『ボーン』シリーズなどのブライアン・コックスと、『イントゥ・ザ・ワイルド』などのエミール・ハーシュが演じる。シネマトゥデイより引用
不気味さの正体。映画『ジェーン・ドゥの解剖』の正体。
ある殺人事件現場で発見された、まるで眠っているかのような美女の死体。
主人公親子が経営する火葬場兼、遺体安置所へ運ばれてくるところから物語は始まります。
ベテラン検死官の親父と助手として手伝っている息子。
彼女とのデートをキャンセルしいつものように二人、検死のため解剖を始めるのですが…
この映画、導入から前半の雰囲気が非常によく出来てます。
導入部としてあまり余計なことは描かれず、親子二人で検死を請け負っていて
息子が家を出たがっていたり、いたずら好きな明るい彼女がいることくらいの情報で
あとは検死という特殊な状況の中、一つの死体を軸に物語は進んでいきます。
自然な入り方といい、ホラー映画特有の底抜けに明るいキャラクターはいなかったり全体としてひんやりとした雰囲気が漂っていて好感触。
そして淡々と解剖が始まっていくんですが
素人が観ててもその死体が「通常の」死体ではないことが判明していき、否が応でも緊張感が高まっていくんです。
外傷がまったくないのに手首や足首が折れていたり、舌が切断されていたり、内蔵が傷だらけだったり…
不思議がる主人公たちをさらに怪奇現象が襲います。
静かに異常な状態だけが浮き彫りになっていく感じがヒリヒリと張り詰めていきます。
見たいけど見たくない。恐怖と科学と欲望と。
だいたいホラー映画の世界では美女といったら無残なことになるのが常で、絶叫し逃げ回るというのがよくあるシーンですが、最後の犠牲になる瞬間は映さないもんです。
だからなんとなくワタシたちも怖がってはいるけど一番ショックな場面は目撃しなくて済むだろうと安心して恐怖を楽しめるんだと思ってます。(段々描写が過激になってきている流れはありますが…)
しかし本作は真逆といっても良いでしょう。
美女は逃げないし叫びもしない。
だけど一番ショックな部類に値するであろう【身体の破損】をばっちりと描きます。
そもそも既に彼女は死んでいるのだからショックな場面は終わっている、というはずなのに内蔵を取り出され、骨を折られ挙げ句の果てには脳をも取り出される。。
美しい姿のまま解体されていくのです。
そこに男目線の変な欲望はなく、ただただ死因を調べるために進めていきます。
これも既に死んでいるという設定だからこその描写。
異常であること、違和感が醸し出す落ち着かなさとでも呼びましょうか。
この作品の面白さはそこにあると思うんです。
導入部で描かれた死体たちはどれも目も当てられないほど損傷が激しかったりするのですが、ジェーン・ドゥは美しすぎるほど。
対比させることで輝いて見えることもありますが、こういう一つ一つが積み重なった違和感が観ていてそわそわさせるんですよね。
また変に隠さず解剖シーンを淡々と映すあたりも拍車をかけます。
彼らにとっては通常なんだろうけど、観客からしてみたら人間の解剖ですからね。この時点で血の気が引くんですが、そこへきて慣れているはずの主人公たちも狼狽していくという事態。
ホラー映画特有の脅かし方が少ないのも非常に効果的だったと思います。
大きな音で脅かしたり絶叫だったりね。。
伏線回収の絶妙さ。【ネタバレ注意】
あとこれ。
個人的に印象的だったのがホラー映画なのにしっかりと伏線を回収していくところです。ただ怖いだけじゃ終わらない面白さを最後に与えてくれました。
ざっと挙げると、、
・死体が死んでいる証として足首に鈴を付ける→後半めっちゃ怖い。
・廊下のミラー→後半めっちゃ怖い。
・ジェーン・ドゥの腰→謎が明かされたときのすごい納得感
・アナログなラジカセ→ずっと怖い。
こうした伏線や小道具がいちいち効果的なんです。
ジャパニーズホラーにも通ずるぼんやりとした、薄暗い怖さ。
ただ驚かされるだけの怖さにはもう飽きたって人は是非。
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